研修会:浜松注染工房見学4

この工房では、注染のほかにもローラ捺染も行なわれていました。写真の銀色のローラーに模様が彫ってあります。その模様の溝に下の茶色い染料を写し、次に浴衣の生地に写していきます。写真では生地に柄が付いているのに、無地のように見えますが、これは、次の工程で蒸すことによって染料が化学変化して色が浮かび上がるということでした。この方法は連続して染める事ができますが、先ほどの注染のように生地の裏までは染み込みません、また、ロール1周分の長さしか柄ないので大きな柄を染めることはできません。小さな柄の連続模様です。また、染料と柄ロールを増やす事で多色に染めることができます。とても年季のはいった古い機械です。工房は染め待ちの白生地や、紺や赤、緑、芥子色、などに染められた生地が山の様に積み重なり、職人さんは忙しく作業されておりました。有名なファッションブランドからの依頼品や、相撲の後援者からの注文でできた、手拭の試作品など見受けられ、浴衣や手拭の製造現場を楽しく見学させていただきました。最後に、地元の問屋のショールームに行って今年の新作を見て回りました。

研修会:浜松注染工房見学3

というわけで、染め上がりました。この柄は元々、紺に染めた生地に、花の柄の型を塗り、柄の部分の色を注染で脱色したのち、柄を青と水色で染めたものです。折返しのところで、柄が反転しているのもわかります。これをその後、大きな水のプールに入れて写真では解りずらいですが、ばしゃばしゃ水洗いして糊や染料を落とします。最後に7Mの干場で吊るし、自然乾燥させて終わりです。この後は生地の整理屋さんに送られ、浴衣の反物になります。この吊るしの現場は、昨年のNHK朝ドラととねえちゃんの監督も見られたそうで、番組のセットで再現されたそうです。

 

研修会:浜松注染工房見学2

注染染めの次の工程は染めです。前の工程で糊付けした生地の束、生地を折返しながら同じ型で糊付けしたので生地の束の上から下までは全部同じ柄の糊がサンドイッチされています。ですので、浴衣の柄はその柄の連続模様になるのですが、生地を折り返したところで鏡に写したように柄が反対になったものが出てきます。その柄の中で、色を付けたいところに、上から染料を注いで染めます。だから「注染(ちゅうせん)」。まず生地の束を台の上にセットします。この台には仕掛けがあって、台には小さい穴がたくさん、開いていて、大きな掃除機のような吸引機につながっていて、生地全体を吸い付けています。そして、染めたい部分を囲うように、ケーキのクリームを絞り出すようなもので、糊を絞り出して囲みます。これは、注ぐ染料がはみ出ないようにするための土手です。そしてジョロのようなもので染料を注ぎます。染料は生地を通って,下へ吸い出されます。写真では青と水色の2色を注いでいます。そうすると青と水色のぼかし染めができます。このとき、青を強くするか、水色を強くするかは、職人の加減次第できまるので、次のロットでは同じようにはできません。同じ柄でも、染めの仕上がりが変わります。この時の1ロット、つまり1度に染められる量は浴衣4反分。これ以上は機械の吸引力の問題でできないので、同じ柄でもこの4反しか同じぼかしができないということになります。この注染は染めをしっかりさせるため、吸引面を反対にして同じ様に行います。また、白い生地ではなく、既に染まっている生地に対して染めを行なう場合は、柄の部分を、脱色させてから行なったりします。そして、色を定着させるための薬液を注ぎ、染めは終わりです。

研修会:浜松注染工房見学1

浜松は浴衣の産地です。この度、所属する静岡県呉服商組合連合会の研修会として、浜松の浴衣工房を訪ねました。まずは、浴衣の代表的な製法のひとつである、注染染めの工程からみていきましょう。上の写真のように型紙をメッシュシートに貼付けた枠の下に浴衣の生地を敷きます。そして、枠を乗せて、上から糊をへらを使って塗ります。この糊は粘土や海藻などを混ぜたもので、コレを塗った部分には染料が入らずに染めない部分をつくることができます。およそ1mくらいの生地に糊を引いたら、枠を上げ、生地を折り返してまた塗る。これを浴衣2反分、これを1疋といいますが、約25m、繰り返していきます。注文が20反なら10疋つくります。

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